心理学と聞いて皆様はどんな印象を受けるでしょうか。メンタリズムやカウンセリングで使われるもの?専門的な分野でよくわからない?メディアや自己啓発本の影響で広く知られている一方、誤解やステレオタイプも存在します。今回はそんな心理学について大きな定義から実生活でどのように使われているかご紹介します!
心理学について知りたいけど何から学んでいったらいいのかわからない人や、なんとなくは知っているけれどそもそもどんな定義で成り立っているの?といった疑問にお答えします!
心理学とは
心理学は、人間の心や行動を科学的に研究する学問です。
人間の思考、感情、行動のメカニズムを理解し、それを基に人間の行動を予測し、改善することです。
多くの分野に分かれており、それぞれが特定の側面を専門的に研究しています。研究には、実験、観察、調査、インタビューなど様々な方法を用いて行われます。
また、心理学は他の学問分野(例えば生物学、社会学、教育学)と密接に関連しており、相互に影響を与え合っています。
それらによって人がどう感じ、考え、行動するかを理解し、その知識を使って問題解決や日常生活の良好にしたり、私たちが自分自身や他人をよりよく理解する手助けをしてくれているのです。
2つの分類
心理学の分野は多岐にわたります。行動、思考、外的環境の影響など人々の営みの様々な要因が対象になるからです。
最初の分類として、「基礎心理学」、それらを用いて行われる「応用心理学」の2つに分かれます。
1.基礎心理学
基礎心理学(Basic Psychology)とは、心理学の理論的な基盤や基本的な原理を理解するための研究を行う分野です。
主に、人間の行動や精神過程の基本的なメカニズムを明らかにすることを目的とします。
理論重視:基礎心理学は理論の構築と検証に重点を置き、実験や観察を通じて一般的な心理的メカニズムを解明することを目指します。
実験方法の使用:コントロールされた環境での実験が多く行われ、変数の操作や測定を通じて因果関係を明らかにします。
応用可能性:基礎心理学で得られた知見は、臨床心理学、教育心理学、産業心理学などの応用分野で利用されることが多いです。
また、応用心理学の実践的な問題を解決するための理論的基盤を提供する役割も果たしています。
分類として、生理(生物)心理学・認知心理学・発達心理学・学習心理学・社会心理学・性格(人格)心理学などが、基礎心理学にあたります。
基礎心理学の研究は、心理学の他の分野の発展に必要不可欠な理論的基盤を提供し、心理学全体の理解を深める役割を果たしています。
2.応用心理学
応用心理学(Applied Psychology)とは、心理学の理論や方法を実生活のなかでの活用を目的にし問題解決や向上に役立てるための分野です。
基礎心理学で得られた知見を基に、具体的な社会問題や個人の問題に対して実践的なアプローチを行います。
実践的アプローチ:応用心理学は具体的な問題解決を目指し、実生活での応用を重視します。
多様な対象:教育、職場、健康、法制度、環境、スポーツなどさまざまな領域で応用されます。
インターディシプリナリー:他の専門分野(医療、教育、経営、法学など)と密接に連携し、学際的なアプローチを取ります。
日常生活はもちろん、小説やドラマで取り上げられることも多くあります。
応用心理学は、基礎心理学で得られた理論やデータを実際の問題解決に役立てることで、個人の生活の質を向上させ、社会全体の機能を改善する重要な役割を果たします。
例えば、職場での生産性向上、教育現場での学習効果の向上、健康行動の促進、犯罪防止など、多岐にわたる分野でその恩恵が見られます。
日常で用いられる心理学
心理学は人々の日常生活の多くの側面に応用されており、私たちがより良い生活を送るための手助けとなり、人々の生活の質を向上させ、問題解決やパフォーマンスの向上に寄与しています。
教育
生徒の学習スタイルを理解し効果的な教育方法を用いるためや、学習障害の診断と支援に教育心理学が使われています。
生徒の個別ニーズに応じた指導、学習動機の強化、そして効果的なクラスルームマネジメントが含まれ、効果的なクラスルームマネジメントを行うことでポジティブな行動を強化し、問題行動を予防しこれにより、生徒の集中力と学習の質が向上します。
具体的には学習理論、認知発達倫理、期待価値倫理などが用いられます。
教育心理学は、教育者がより効果的な教育方法を実践するための重要なツールです。
職場
職場のストレス管理やコミュニケーション改善、チームビルディング、モチベーション向上などに産業・組織心理学が活用されます。
職場環境を改善し、従業員の満足度や生産性を向上させ、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
具体的にはハーズバーグの二要因理論、マズローの欲求階層理論などが用いられます。
人間関係
夫婦関係や家族関係、友人関係など、さまざまな対人関係を円滑にするためのコミュニケーション技術や感情理解に家族心理学や発達心理学が役立ちます。
個人の対人スキルを向上させ、健全な関係を築き、維持するのに役立ちます。
具体的にはアサーション・トレーニング、交流分析、アタッチメント倫理などがあります。
これらの心理学の理論や技法を理解し活用することで、個人の対人スキルを向上させ、健全な人間関係を築くためのサポートを提供できます。
マーケティング
消費者行動を理解し、製品やサービスの販売戦略を立てるためにが社会心理学などが使われます。経済学や行動経済学などを合わせた消費者行動理論を用いて、広告のデザインやメッセージが作られます。
認知バイアス、希少性の原則、サブリミナルメッセージなどが有名です。
司法・犯罪
犯罪者の心理を理解し、再犯防止のためのプログラムを作ったり目撃者の証言の信頼性を評価するのに犯罪心理学、法廷心理学が使われます。
犯罪心理学には行動分析、プロファイリング、犯罪原因理論などが、法廷心理学にはジュリーコンサルティング、法廷意思決定、認知バイアスの影響などが用いられます。
まとめ
今回は心理学について大きな分類と、日常的に使われている心理学についてまとめてみました。
心理学は、教育、職場、マーケティング、犯罪捜査、裁判など、さまざまな分野で重要な役割を果たしていますし、なんとなく知っているような手法があったのではないかと思います。
それらを今後は日常生活で取り入れやすい心理学の知識に変えて取り上げていきます。